【実話】闇金から逃げた親が子供を捨てたお話

最終更新日 2023年3月29日

【実話】闇金から逃げた親が子供を捨てたお話

 

これからお話しすることは
本当にあったなんとも切ないお話です

 

実際、ヤミ金業者をやっていた方のお話です。

 

購読時間約3分

 

闇金の取り立てで悩んでいる方はこちらの記事を参考にしてください。

 

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こんな商売をやっていると,

 

悲惨な境遇の客なんてのは,

 

見飽きるほど見てきた。

 

だがあれほどの状況を俺は他に知らない。

 

これまた俺が下っ端だった頃の話だ。

 

電話が通じなくなった客の自宅に、俺と先輩で集金にいった。

 

事務所から歩いて行ける程度の距離にある古いマンションだった。

 

インターホンを鳴らすとこどもが出てきた。

 

まだ小学生にもなっていないような女のコだった。

 

「えーと、パパがママ・・・いるかな?」

 

「んーん」

 

「いないのか。じゃあちょっと家に上がってもいいかな」

 

「いいよ」

 

居留守を疑った俺たちは,家に上がって部屋を確認して回った。

 

だが、どうやら親は本当に留守らしく、小さなこどもが2人いるだけだった。

 

さすがに家捜しして金をあさるようなことはせず、俺たちはそのまま家を出た。

 

近場だからまた来ればいい。そう思って次の集金に向かったんだ。

 

そして数日後、俺と先輩はまたその家の中にいた。

 

今度もまた,相手をしてくれたのは幼い女の子と、さらに小さな男の子。

 

聞けば5歳と3歳だという。

 

だがそれよりも気になることがあった。

 

2人が,先日よりもだいぶ痩せて・・・

 

いや,やつれている。

 

そして家の中を誰かが片付けている様子が感じられない。

 

要するに荒れ放題になっていたんだ。

 

先輩と俺はその子たちに尋ねてみた。

 

「ねえ、パパとママっていつから帰ってきてない?」

 

聞いた途端、おねえちゃんのほうが泣き出してしまった。

 

そして姉が泣くのをみて,つられて下の子も泣き始める。

 

俺と先輩は,必死で2人をあやしながら、

 

なおも事情を聞きだし、そして確信した。

 

「あいつら、こどもを捨てて逃げたんか・・・」

 

いくら何でもまだ小学校にあがっていないこどもを

 

捨てて親だけで逃げるなんて、信じられない。

 

だが目の前には,現に捨てられたこどもがいる。

 

改めて見てみれば,服も汚れきっている。

 

一体何日、親のいない家で過ごしていたんだろう。

 

「食べ物は、どうしてたんだ?」

 

先輩がおねえちゃんに尋ねている。

 

だがイマイチ要領をえない。

 

考えてみれば5歳と3歳のこどもが自炊できるはずもなく、

 

インスタント食品だってつくれるとは思えない。

 

出前をとることも、外食だっておそらく無理だ。

 

となれば,家の中にあるものを食べて過ごすしかない。

 

キッチンをのぞいてみると,

 

お菓子やインスタントラーメンの袋が散乱している。

 

お菓子はともかく、

 

インスタントラーメンもお湯を使わずにそのままかじっていたようだ。

 

冷蔵庫の中もほとんど空の状態だった。

 

かじりかけの野菜が、床やテーブルの上に転がっている。

 

人参や大根は平気でも、

 

さすがに玉ねぎは生のままかじったのでは,辛かったんだろう。

 

小さな歯型はついているが,

 

原形をとどめたまま放置された玉ねぎがたまらない悲哀を感じさせる。

 

そして俺は、テーブルの上に転がった皿の上に、気になるものを見つけた。

 

白い皿に残された、小さな極彩色のそれを見た瞬間,思わず声が出た

 

「うわっ・・・」

 

すぐさま居間に戻って、隅に飾ってある水槽の前に立った。

 

水槽には、魚が泳いでいなかった。

 

そしてそのかたわらには、

 

本来はキッチンにあるべきアルミ製のボウルが転がっていた。

 

俺はこどもたちに尋ねた。

 

「・・・グッピー、食ってたんか?」

 

キッチンの皿の上に残っていたのは、

 

小さくてカラフルな魚の尾びれだった。

 

生の熱帯魚の尾びれだった。

 

俺の問いに,こどもたちはコクリとうなずいた。

 

俺は泣いた。先輩も、泣いた。

 

「おい、ちょっと食い物買ってこい。あと新しい洋服!」

 

先輩が渡してくれた数枚の1万円札を握って、

 

俺は近所のスーパーへと向かった。

 

お菓子にジュースに弁当に着替え・・・

 

適当なものを買って家に戻ると,

 

そこには先輩から呼ばれてきた店長の姿があった。

 

店長は風呂に入れたこどもたちの体をふいてるところだった。

 

店長の目も赤い。

 

当時20代半ばだった店長は、

 

前年にこどもが産まれたばかりと言っていた。

 

そりゃ、胸にくるものがあるだろう。

 

体を洗い、着替えさせたこどもたちに食事をとらせている間に、

 

俺たちも話し合った。

 

「どーします?」

 

「どーするもこーするも・・・このままにはできないだろ」

 

「施設に預けるしかないよな」

 

「まあ,うちで育てるわけにもいかないからなぁ」

 

「店長のお宅・・・・も、ムリですよね」

 

「かわいそうとは思うけど、さすがになあ」

 

「施設って、どこにあるんですかね?電話番号とかどこでしゃべるんだろう」

 

「警察にいってもいいけど・・・とりあえず104にかけてみろよ」

 

こうして、こどもたちは即日、施設に引き取られることになった。

 

施設の担当者は,俺たちが金融業者だと知ると,

 

事情を察知して微妙な態度をとっていた。

 

だが,そんな色めがねは慣れっこだ。

 

今さらどうということもない。

 

それよりも引き渡しの時に,

 

上の子が俺たちに言ってくれた言葉が忘れられない。

 

「・・・『お兄ちゃん、ありがとう』だってさ」

 

「元はといえば,俺たちが追い込んだせいで親が逃げたんですよね・・・」

 

「俺、もう金融やめよかな・・・」

 

結果的にその場にいた俺たち3人は,

 

全員が5年以内に闇金から足を洗うことになった。

 

この一件が闇金をやめる直接の引き金になったわけではないが,

 

後々まで尾を引いたことは確かだ。

 

そのあと俺は何度か施設に顔を出したことがある。

 

最初はふさぎがちだった2人のこどもも、

 

しばらくすると元気に走り回っていた。

 

俺は2人のそんな姿を見られただけで、

 

素直にうれしかった。

 

 

参考文献 闇金裏物語 金原猛著

 

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